「いのちをつなぐ」は、国際セラピードッグ協会代表の大木トオルさんの著書です。大木さんは福島の飼い主をなくした犬たち、殺処分寸前の犬たちを保護して、りっぱなセラピードッグたちを育てています。この本が3月11日に届くなんて、何ともいえない気持ちになりました。
今日、14:45に、私の住む町でもサイレンが鳴りました。愛犬といっしょに、神妙な気持ちで手を合わせました。
まだまだ終わっていない、被災地の現状。家も、家族も、犬もなくした人たちがいます。市役所の職員が足りずに、日本中から応援に行っていますが、応援職員の自殺もあります。「自分は本当に被災者たちの役にたっているのだろうか」と、亡くなる前に上司に話していたと新聞で読みました。
茨城に非難した家族は「被爆者は来るな!」と近所のひとたちから言われ、避難をあきらめました。北九州に避難した家族は周囲の親切に感謝しつつも、こどもがいじめられるかも、との思いから車のプレートを被災地のものから北九州に変えました。
本当に、胸が痛みます。2年経っても、何も終わっていないのです。
わたしたちに、何ができるでしょうか。
大木トオルさんの有名な著書、「名犬チロリ」にこんな一文があります。
「・・・小学生が書いてくれた手紙には、「人間から虐待をうけた犬が、なぜ、人間にやさしくできるのかふしぎに感じました。もし、わたしが犬だったら、もう人間なんて信用できないと思います」とありました。
そのとおりです。
どのような人もわけへだてなく受け入れようとする犬の心の広さや純粋さにふれると、謙虚な気持ちになります。」
ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、チロリは飼い主から棒か杖のようなものでたたかれて育ち、腰や足の骨が変形していました。そして、赤ちゃんを産んだために、団地のごみ箱に赤ちゃんたちとともに捨てられていた犬です。
生きることを決してあきらめないということは、非常に勇気がいることです。日本各地に避難している被災者の方々が、決して「生き残った自分」を責めたり、罪悪感をもったりせず、亡くなられた方や動物たちの分まで、しっかり生きてほしいと願っています。
私たちにできるのは、いまも心を痛めながら生きている彼らのことを「なかったこと」にせず、できる限りのサポートを提供していくことだと思います。
自分にできることは何か。
1人が何か1つのことをすれば、どれだけたくさんの人たちが癒されることか。
自分自身の才能を見直す時期かもしれません。
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