2012/12/29

本気でかかわる、ということ。

最近の新入社員のかたがたは、親御さんに怒られた経験があまりないのでしょうか?

インターネットで見つけたこの記事によると、怒られること自体、期待の裏返しだ、と理解している方も多い一方で、「叱らずに、普通に教えてよ」という方もいますね。

そりゃあ、なかには理不尽な怒り方をする上司もいます。(掃いて捨てるほど。)理不尽な左遷(異動)をさせる上司もいます。(掃いて捨てるほど。)そういう例外は別として、やはり、他人と本気でかかわる、ということがなくなってきているのでしょうか。

そういう人間が、動物を飼うと、どうなるのでしょうか?実は、動物とて、人間が本気でかかわると違ってきます。

先日、近所の犬が別の犬を噛む、という事件がおきました。どちらの犬も知っている私にとっては、とても辛いことでした。

どちらもメス犬なので、A子とB子と呼ぶことにします。(?)

A子は太目の3歳児で、わんぱく&姉さん気取りです。実は怖がりな一面もありますが、近くの原っぱでは、よく散歩ひもを付けたまま放してもらって、自由に走り回っていました。

自由にさせてもらっていたのは、お母さんが足が悪くて走れないこと、お父さんは毎日仕事が遅くて散歩に連れて行けないこと、だからA子をかわいそうに思ったお母さんが「せめて、少しでも運動させてあげたい」と思ったからでした。

それに、A子はちょっとおでぶちゃん。それは、仕事帰りのお父さんが夜10時頃、夕飯を食べるときに、かわいいA子に必ずご飯のおすそ分けやおやつをあげるから。(夜遅くに食べると太るのは人間と同じ?)

そんなA子は、めったに怒られたことがありません。怒られるときはお母さんが声を強めて「A子!!」と呼ぶだけ。お母さんは力もないので、体罰をしたことは1度もありません。お父さんは1度だけおなかを蹴りました。それは、あまりにA子が前のめりに(ほふく前進状態で)散歩ひもを引っ張ったために、それをやめさせようとしたときでした。

その日も、A子はワシワシ原っぱを走っていました。お友達の女子犬と一緒に、いつものように「わたしの原っぱ」を縦横無尽に走っていた、そのとき。

2匹の姿が見えなくなったあたりで、「きゃん!!!」という犬の叫び声がしました。

女子犬の飼い主であるお父さんが、「ごるらぁ~~~!!(こらぁー!!)」と言いながら一生懸命走りました。女子犬はA子より年下なので、A子の味方をします。いつも一緒に遊んでいるから、当然のこと。だから、けんかになったときには要注意なのです。

追いついてみると、ご近所の男性が白い犬、B子を散歩させている途中でした。

A子がB子の後ろももに噛み付いたので、(しかし幸いにも軽かった!)少し足をびっこさせていたそうです。飼い主同士がお互い顔見知りということで、その場で「だいじょうぶですか?血はでていませんか?」と聞いて「だいじょうぶだよ」で終わりました。

女子犬の飼い主さんは、B子のお父さんも知っています。彼らの前で、女子犬はこっぴどく怒られました。「ごらぁ!!ダァ~メッ!!!」それこそ、雷が落ちたような大声。女子犬は尻尾を巻いて、小さくなって逃げ回りました。普通ならこのあと、蹴られるからです。(幸いにも今回は蹴られず。涙)

A子も女子犬のお父さんに怒られました。「ごらあっ!!なんしよっかぁ!!お前はあっ!!ごらあっ!!」びくびくしながら、それでもお父さんの顔を見続けるA子。

犬が視線をはずさないときは、相手にけんかを売っているときです。通常は、けんかにならないように相手と(人間とも)目を見ないようにしています。

そう。A子は怒られつつも、女子犬のお父さんに対して、決して負けてはいなかったのです。

やっとA子のお母さんがおいついて、散歩ひもをもったとき、A子は女子犬のお父さんからコンコンと説教されたのですが「何がぁ~?」とまったく気にしていない様子。これには驚きました。

犬をしかるときには、現場を押さえなければなりません。時間が経過してから怒っても、何を怒られているのか理解できないからです。(動物は、常に「いま」を生きています。)

A子のお母さんはショックで言葉が出ないようでした。相手の方が「だいじょうぶだよ」と言ってくれたものの、ご近所さんだからこそ気を遣うことがあります。そんなお母さんの気も知らず、A子は「ふんふんふ~~ん」と葉っぱのにおいをかいでいるのでした。

お友達の女子犬は、なぜお父さんの怒りが本気で、どれほどのものかというのをすぐに理解したのでしょうか。

蹴られたことが何度もあるから?それもあります。
何度も怒られているから?それもあります。
でも一番は、お父さんが「本気だった」ということです。

読者のなかには「まあ!犬を蹴るなんて!!!」とお怒りのかたもいらっしゃるかもしれません。わたしも最初はそうでした。わたしは決して体罰を容認するわけではありませんが、この飼い主さんがどれほど女子犬を好きかも知っているのです。

どんなに忙しくても、どんなに遅くなっても、どんなに酔っ払っても、必ず散歩に連れて行く。ごはんやおやつは欠かさない。その上、犬のご飯は手作り。自分が苦手な掃除は、お手伝いに来てくれるおばちゃんが助けてくれる。

女子犬はお父さんが本当に自分のことを好きでいてくれるから、怒られたあとも、尻尾をふって一緒に帰っていくのです。

A子のお母さんが犬を怒れないのにもわけがあります。

昔、働いていた会社の人が、犬にひどい虐待をしているのを見てしまいました。その人は犬を建物の2階から放り投げて捨てたそうです。

信じられますか?

お母さんはとても繊細な人で、その光景がずっと目の奥に焼きついて離れなかった、だから、まさか、自分が犬を飼うことになるなんて、予想もしなかった、と言っていました。

このお母さんは自分のトラウマを乗り越えて、自分の夫がもらってきた犬を育てることにしたのです。自分の足のことや、病院通いのことも含めて、A子のおかげで前向きに変わったのです。

怒る、というのは誰にとっても嫌なことかもしれません。でも、嫌なことである前に、相手にとって「だいじなこと」、「気づくチャンス」であることも間違いありません。

このお母さんが今回の出来事を乗り越えて、自分の愛犬を本気で怒れるように、強くなってほしいと願っています。そして、誰もが、自分のために立ち上がる勇気を持っていることを書き添えます。

長い記事を最後までお読みいただいてありがとうございました。
2012年も終わりです。
どうぞみなさま、よいお年をお迎えください。
また、来年。




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本日のメッセージ

【自己紹介】 中村久美恵 BBSH2011年卒業BHSプラクティショナー💖動物が大好きなエネルギーヒーラーです💛犬2匹猫30匹をお看取りした経験から、ペットロスのヒーリングサポートをしています。こんにちは、中村久美恵です^^ 今日もあなたが目覚めるメッセージ♡お届けします。 ...