2012/07/01

三匹の子猫と私(1)

その声は、物置から聞こえてきました。物置は、原っぱの近くの、少し小高いところに2つあります。


ぴゃー、ぴゃー、という子猫の高い鳴き声。私には母親を探して呼んでいるように聞こえました。親猫が、あそこで子猫を生んだのでしょうか。それとも、誰か人間に捨てられたのかもしれません。愛犬と散歩しながら、声の聞こえる物置をちらちらと見ながら、通り過ぎました。


3日目。声が聞こえていると安心するようになりました。まだ生きてるんだな。でも、あんなに鳴いていたら、誰かに見つかってしまうな。母猫はミルクをあげているのかな。


4日目。ついに物置を見てみることにしました。そおっとドアをスライドすると、手のひらに載るくらいの子猫が3匹、真ん中くらいにかたまっていました。


子猫たちは、こちらを驚愕の表情で見ていました。生まれて初めて見る、犬の顔。(私の愛犬です)驚きのあまり声がでないまま、口をパクパクさせて「にゃー、にゃー!」(だれだ、来るな!)と言っていました。


ドアの隙間から外に出てこないように、あわてて閉めました。人間や犬の匂いがついてしまうと、母猫が警戒して近寄らなくなってしまうかもしれません。母猫のために、猫が通れるくらいの隙間は空けておきました。

見てわかったことは、物置には古い畳がしいてあって、私が想像していたより居心地が良さそうだということ。そこは何年も使われていなくて、誰かが入った跡がないということ。つまり、猫がそこで赤ちゃんを産んだ可能性が高い、ということでした。


私は少し、安心しました。母猫がたぶんいるのだろう、と思ったからです。

その後数日、気を付けて聞いていると、子猫たちは朝や昼間は鳴いていないことに気づきました。夕方になると鳴いていたので、きっと、その頃おなかが空いていたのでしょう。

近所のお散歩仲間たちも気づいていて、「ああ、あそこで声がするよね。」とお互い話をしました。話の最後はきまって、「誰かに見つかって、捨てられなければいいけどねえ。」でした。自分たちは犬を飼っていて、正直手いっぱい。子猫が可愛いのは認めるけれど、飼う余裕がない、というのが本音でした。

また、近所で猫を外飼い(えさだけ与えて、家の中には入れない。ベランダに段ボール箱等を置いて、猫の家にしている状態。)しているお宅があって、その猫たちが自分たちの庭に入ってきて、トイレをしていく、という不満を抱えてもいました。

賃貸の場合、猫を飼うには気を遣うことが多いですよね。ふすま、柱、床、たたみなどでの爪とぎ。これは猫の本能なので、やめさせることは出来ません。爪とぎを買って置いてみたところで、自分が気に入らなければ使ってくれません。

夏は窓を全開にする家が田舎では多いので、子猫の鳴き声がうるさい、という場合もあります。おまけに猫は夜行性です。

外に出たいとニャーニャー鳴けば、出してやりたいのが親心。でも、オス猫の場合はそれが領地争いの始まりになるので、一度出すと、再び出すことになります。そうすると、他の家に入って行って、トイレをしてしまいます。

犬のうんちも匂いますが、猫のそれは犬の比ではありません。うちも玄関のアプローチに堂々とされていたことが数回あり(苦笑)、探し出すまで本当に苦労しました。

よって、本当に、本気で猫を飼うなら、ずばり、「室内飼い」しかないのです。そして、犬のように小さな首輪とリードをつけて、ときどき外に出してあげるしかありません。そんなの、可哀想!と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、毒だんご等をまいて猫がこないようにする人間がいることを思えば、室内飼いにするのが無難です。

だいじょうぶかなあ、と心配する日々が、それからも数日、続きました。



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【自己紹介】 中村久美恵 BBSH2011年卒業BHSプラクティショナー💖動物が大好きなエネルギーヒーラーです💛犬2匹猫30匹をお看取りした経験から、ペットロスのヒーリングサポートをしています。こんにちは、中村久美恵です^^ 今日もあなたが目覚めるメッセージ♡お届けします。 ...