2012/05/06

のら猫と私(2)

まる3日間、ベランダに置いた犬小屋でじっとうずくまっていたのら猫は、4日目の朝を迎えました。犬と散歩へ出かける前に様子を見ると、こちらを見つめています。私には「ごはん(はあるの?)」と聞こえたようでした。あるよ。まあ、3日間じっとしているし、散歩から帰ってきてからでもいいだろう。そう思って、犬と散歩にでかけました。

帰ってくると、猫の姿がありませんでした。ちょっと、心が痛みました。あのとき、先にご飯をあげていればよかったな。帰ってくるかな・・・。4日目ということで、何となく、目に見えない絆が私たちの間に出来上がっているのを感じていたので、小屋に猫が見えないことが淋しく感じました。数秘術では3という数字が基本をつくり、4という数字でそれがしっかりしたものとなる、と聞いたことがあります。

手足は小枝のようで、あばらがはっきりとわかり、腰の骨がはっきり浮き出ていた猫。どこへ行ったのだろう?私はいろいろ考えました。
3日目の午後、小屋の敷布に、エッセンシャルオイルを垂らしたけど、あの匂いが嫌だったかな?(猫がウイルス性の病気を持っていそうだと思ったので、菌やウイルスによいとされるエッセンシャルオイルを数滴、布にたらしていました。)
それとも、ここは犬の匂いがするから、ゆっくりしていられない、と思ったのかな?
犬が庭に植えた麦若葉を食べたいといったとき、猫がいたから私が止めたけど、それに気付いてのことかな?
あれこれ思いめぐらしても、理由がわかるはずもありませんでした。

夜になっても、猫はもどってきませんでした。体調は戻ったのかな。でも、まだ本当に良くなったようには見えなかったな。また来てくれるといいな。ごはん、準備しているんだけど。いろんなことを思いながら、なかなか眠れませんでした。すると、突然、外で聞きなれない音がしました。すぐに窓を開けると、あの猫が小屋の前においたボウルの水をぴちょぴちょと飲んでいました。

「良かった、帰ってきたねえ。だいじょうぶ?いま、ごはんもってこようね。」そう言って私は猫のためによけておいた鶏肉の一部を、小さなお皿にいれて持っていきました。ところが、猫は食いつくどころか、「ん?」と見ただけで、食べませんでした。それでも安心しました。
どこかで食べてきたのかもしれない。(それならそれでよし!)
体調がいま一つなのかもしれない。(朝までに食べるかも)
まあ、元気でいてくれてよかった、とホッとして、エッセンシャルオイルの香りが嫌だったわけではなかったのだな、とも思いました。

翌朝、5日目、猫は初めてベランダにおいたベンチの上にあがっていました。窓のすぐそばなので、人や犬の気配がとてもよくわかる場所です。窓を開けても逃げません。3日目までは「シャー!」と怒っていたのに・・・何か通じ合っているような気がして、嬉しい気持ちでいっぱいでした。今度はすぐに朝ごはんをあげました。おいしそうに食べて、洗顔すると、しばらく辺りの様子をうかがってから出かけて行きました。それ以降、猫はもどっていません。

猫の行動範囲は非常に広く、オスは特に遠くまで遠征します。のらであることは可哀想かもしれないけれど、自由があります。のら猫の寿命は一般的に短いけれど、ときどき、優しい人間とおいしいご飯にありついたりしながら、勝手気ままに生きていくのでしょう。

のら猫との別れを以前ほど悲しく感じなかったのは、並行して、もっともっと悲しい出来事があったからでした・・・。


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本日のメッセージ

【自己紹介】 中村久美恵 BBSH2011年卒業BHSプラクティショナー💖動物が大好きなエネルギーヒーラーです💛犬2匹猫30匹をお看取りした経験から、ペットロスのヒーリングサポートをしています。こんにちは、中村久美恵です^^ 今日もあなたが目覚めるメッセージ♡お届けします。 ...